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中国人民元と政治とマスコミと



「人民元は安すぎる、自由化せよ」と言われて久しいですが、中国政府は相変わらずどこ吹く風……な状況が続いています。で、チャイナに厳しい産経さんに限らず世界中のマスコミが次のような主張をしている訳ですが……

「【主張】中国人民元 経済高度化へ改革を急げ」(イザ!)

まさに「言うは易し。」資産バブルとインフレの元凶は実質的に低く固定されている人民元であることはシロウト目に見ても明らかなことですが、では実際に人民元を大幅に切り上げたとすると……国内の失業率が跳ね上がり、一気に社会不安が広がることになるのは同じくシロウト目に見ても明らかなこと。

空前の高度成長を続けているにもかかわらず大卒の就業率は(当局大本営発表で)7割程度(ちなみにこの参照記事が7割という数字を高いと読んでいるのは笑える)。不動産バブルと各種社会保障の不備による貯蓄志向などの影響もあり、今すぐ内需主導に経済構造を転換するのは事実上不可能。そんな中で人民元を大幅に切り上げるのは自殺行為です。

中国のように国内に大きな矛盾を抱えている国は、その矛盾を覆い隠すためにどこかで無理をする必要があります。どこかで無理をすればまたそこで矛盾が生まれ、その矛盾を覆い隠すためにまた別のところで無理をする。これが玉突きのように次々と転嫁され、最後にどこかで顔を見せる。人民元のレート問題はその一つでしかありません。

中国政府もそれはわかっていますからハイハイと切り上げる訳がありません。外国政府もそれはわかっていますから要求も口だけ。対中で貿易赤字が拡大していても、その中には自国の企業が中国に進出して稼いでいる分も相当ありますし、インフレを抑えてくれるという側面もあります。日本は長くデフレが続いていますから実感がわかないかもしれませんが、本来インフレ対策は重要なものなのです。アメリカなんかはその典型でしょう。中国への要求など国内世論対策でしかありません。実際には利益共同体なのです。

で、こんなことは産経でこの記事を書いている人もわかっている訳で、それでも書くのはそれが記者の仕事だから。世の中そんなものなのでしょう。

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