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「台湾島」地球儀 まとめ

学研の関連会社「学研トイズ」が解散と相成りました。

「台湾島」地球儀の「学研トイズ」、6月で解散(イザ!)

あれです、中国政府の圧力で、台湾を「台湾島」と表記していた地球儀の販売して返品騒動となった話です。話が落ち着いてきたのでここでざらっとまとめておきましょう。

話自体は簡単なものです。問題となった地球儀は学研の関連会社「学研トイズ」が昨秋発売した「スマートグローブ」。地球儀には各国の地理や文化などの情報を音声で案内するシステムが組み込まれ、年齢に応じた情報選択や地理クイズなどの機能も備えています。

開発は香港のメーカーで、日本での販売権を取得したのが学研トイズ。はじめは日本仕様で生産される予定だったらしいのですが、生産地の中国で横槍が入ったんですね。中国で生産する以上表記を変更しないと輸出を認めないとかなんとか。で、注文が既に殺到していたから、という理由で中国側の要求を丸呑みしちゃった訳です。

そんな訳で台湾はおろか樺太の南半分や千島列島もロシア領に。日本の地理の教科書では、日露のいずれにも属さない白い表記になっています。サンフランシスコ講和条約(1951年)で日本が領有権を放棄した後、帰属先が未定となっているためです。

一方で購入者からの問い合わせや苦情を見越して、説明書に「生産国の中華人民共和国政府の指示により、地球儀表面の『台湾』の表記が『台湾島』音声が『中華人民共和国』となっておりますことをあらかじめお断りさせていただきます」というメモを添付していました。

ただ、外箱には表記に関する断り書きがなかったため、購入者からは「事前説明なしに売るなら食品偽装と同じ」といった苦情があったとも言います。

学研地球儀、中国圧力に屈す…台湾を「台湾島」(イザ!)

この話は学研に止まりませんでした。同じく玩具大手のタカラトミーが販売する地球儀も台湾を台湾島と表記していたことが発覚。販売停止に追い込まれました。タカラトミーの地球儀も中国で生産されています。

タカラトミーも「台湾島」地球儀 販売中止へ(イザ!)

さらにジグソーパズルなどの老舗「やのまん」が販売する「3Dジグソーパズル地球儀」と東京都内の輸入地図販売店がオリジナル商品として開発した地球儀型ビーチボールも同様の問題でピース交換や販売中止に追い込まれています。

「台湾島」表記問題 パズルやビーチボールも(イザ!)

この問題については産経がかなり食いついていました。台湾重視の保守紙ですから無理もないか。

「台湾島」表記問題 パズルやビーチボールも(イザ!)


「台湾島」と表記の地球儀、学研が販売中止(イザ!)
【産経抄】1月11日(イザ!)
【主張】学研地球儀 主権問題はもっと敏感に(イザ!)

個人的にはジグソーパズルやビーチボールについてはそこまで目くじらを立てる必要はないのでは、と思います。中小企業にとってはこの打撃は小さくないのでは。景気の先行きも厳しそうですし、倒産となってしまったら従業員が路頭を迷うことになるでしょう。ジグソーパズルについてはピース交換で済むのが不幸中の幸いでしたね。

一方の地球儀はいただけないかと。教育に使われるものですから。まぁタカラトミーについては情状の余地があります。もともと玩具屋ですから。

いただけないのは学研です。玩具専門の関連会社とはいえ教育業界大手の学研の名前を冠しているのですから。おまけに購入者からの問い合わせや苦情を見越して、説明書に「生産国の中華人民共和国政府の指示により、地球儀表面の『台湾』の表記が『台湾島』音声が『中華人民共和国』となっておりますことをあらかじめお断りさせていただきます」というメモを添付しているのですからある意味確信犯。日本の未来を背負う教育界を担うという責任感が感じられません。

領土問題は敏感なものなので、細心の注意を払う必要があります。言い訳メモを添付しているぐらいなのですから、その意識はあったのでしょう。ただ、その重大性を過小評価していた、ということなのでしょう。

これが10年前だったらここまで大きな問題にならなかったかもしれません。これだけ苦情が寄せられた、というのは、消費者である国民の中で認識が広まってきていることを意味します。特にここ数年の変化は瞠目するものがありますから。

ちなみに中国の反応は外交部の定例記者会見で「中国の法律遵守すべき」という態度を取っていますが、国内メディアの報道は見られません。もしかしたら報道されているのかもしれませんが、少なくとも大々的な報道ではないことは確かです。

この問題を報じているメディアの中で現在確認できるものはシンガポールの親中紙『聯合早報』ぐらいなものです。中国内の掲示板にはコピペで広まっていますが。

中国政府としては福田首相との日中友好路線で行ってますから極めて敏感な台湾問題を日中間の懸案にはしたくないのでしょう。対内的に絶対に譲れないテーマですから、中国にとってプラスになるネタではありません。春には胡錦濤国家主席の訪日も計画されていますし。

なにせ福田首相の訪中に際しても、対内的には「日本は台湾の独立に反対している」というニュアンスで報道しています。中国政府の立場から考えれば、日本で地球儀の台湾表記が問題になっている(イコール日本は台湾を中国のものとみなしていない)ことが広まることは絶対に避けたいものです。

話を日本国内に戻します。この問題を「チャイナリスク」として語る人もいますが、私に言わせれば今回の事件はチャイナリスクというよりも自爆行為に等しいでしょう。特に学研にとっては。問題になることがこれだけ明白なのに中国で製造しているのですから呆れてしまいます。中国で(orと)商売するなら、中国にとって台湾問題は聖域中の聖域であり、絶対に譲れない問題であることぐらい頭に入れておきましょう。日中関係で政経分離を主張する人もいますが、政治と経済を完全に分離することなんて不可能なんですよ。経済人ならそれぐらいは考えて行動してください。

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